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更新日: 2024.11.20

糖尿病や動脈硬化を予防する │ 血糖値の管理

糖尿病の現状と予防の可能性

糖尿病は、特に2型糖尿病を中心に世界中で増加している慢性疾患です。日本国内では約1000万人が糖尿病と診断され、同じくらいの人数が糖尿病予備軍とされています。遺伝的要因も影響しますが、生活習慣(食事、運動など)を改善することで予防できる可能性があります。

血糖値管理の新しい指標「TIR」の注目

糖尿病治療では、過去1~2ヵ月前の血糖値を反映する「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」が診断や治療の指標として使われてきました。しかし、近年、小さなセンサーを皮膚に装着し、リアルタイムで血糖値を測定する「持続グルコースモニタリング(CGM)」の普及により、急激な血糖値の変動が血管の内壁にダメージを与え、動脈硬化のリスクを高めることが明らかになってきました。
2008年に発表された大規模試験の結果では、HbA1cを下げても心血管リスクが減少せず、むしろ死亡率が増加したことが示されました。これにより、血糖値の大きな変動と低血糖のリスクが注目されるようになり、同じHbA1cでも、変動の少ない“質の良いHbA1c”が望ましいとされています。
最近では、「TIR(Time in Range)」という新しい指標が注目されています。TIRは、血糖値が70~180mg/dLの範囲に収まっている時間の割合を示し、この割合を70%以上に保つことが、良好な血糖管理と心血管リスクの低減につながるとされています。

GIによる血糖値管理の方法

食品には、血糖値をゆっくり上げる食品と急激に上げる食品があります。この違いを表す指標が「グリセミック・インデックス(GI)」です。GIが低い食品は、消化吸収が緩やかで、血糖値の上昇を穏やかにします。例えば、全粒穀物や野菜、豆類はGIが低く、血糖値を緩やかに上げます。一方、白米やパン、砂糖を含む菓子類などはGIが高く、食後に血糖値が急上昇しやすくなります。低GI食品を選ぶことは、血糖値の安定化に役立ち、動脈硬化の進行を遅らせる効果が期待されます。

食品GI値分類表

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