更新日: 2022.02.01
将来のお金を見える化「ライフプランニングシート」
1級ファイナンシャルプラン ニング技能士/ CFP®認定 者/宅地建物取引士/住宅 ローンアドバイザー風呂内 亜矢さん
お金が底をつきる瞬間を先に延ばす
貯蓄がたくさんあっても、月々の支出が多い家庭だと、早いタイミングでお金が底を尽きてしまいます。逆に、貯蓄は少なくても働く期間を長くすることや、支出を減らすことができれば、お金が底を尽きる瞬間が先になっていきます。
こうしたお金の未来予測をするために「ライフプランニングシート」というものが存在します。年齢ごとの収支を整理し貯蓄の残高がどのように推移していくか確認するものです。
サンプルのシート(下)では、60 歳時点で個人年金保険、退職金、貯蓄などがあり、毎月30万円の生活費を使っているケースです。この例だと、貯蓄は69 歳で底をつきます。ここに、「働く期間を65歳まで延長すること」と、「月々5 万円の節約を行う(年間生活費360 万円→ 300 万円)」という2 つの改善を行うだけで、貯蓄は97 歳まで維持できることがわかります。
簡易版のシートを作れるサービスも
ライフプランニングシートは、完璧で正しいものを1 枚作ることが目的ではありません。働く期間や節約の度合いなど、自分にとって無理のない組み合わせを模索するため、条件をちょっとずつ変えなが
ら、現実的な選択肢を考えていきます。また、時間をあけて何度も何枚も作り直してもOKです。
はじめから自分で作るのが難しく感じる場合は、日本FP 協会の「ライフプラン診断」や、全国銀行協会の「ライフプランシミュレーション」というサイトもあります。インターネット上で簡単な質問に答えると、簡易版のライフプランニングシートを作成してくれるものです。 人生のお金の問題点は、早めに察知できると改善案の選択肢が広くなることが多いです。ちょっと大変だなと思う未来でも、先に知ることで状況を良くできる可能性を高められるので、ぜひ一度試してみてください。

